損害賠償請求の当事者

・物件損害〔物的損害、物損〕の損害賠償の請求権者

交通事故により、車の修理代等の損害が生じた場合、その損害賠償を加害者に請求することができるのは、基本的には、修理代等の損害が生じた車の所有者ということになります。

修理代等の損害が生じたとき当該車両を運転していた者は、当該車両の所有者でなければ、自己の物について損害は生じた者ということにならないので、損害賠償を請求することはできません。

親名義で車を買い、実際にはその車を子供が使用して運転していて、その車が事故により損傷して修理代が生じる場合、損害が生じたのは車の所有者である親であり、当該親が損害賠償請求をすることができるのであり、当該車を使用運転していた子供には損害が生じていないことになり、損害賠償請求することができないことになります。

物件損害〔物的損害、物損〕

・修理費相当額の請求

事故車の修理費は、修理が相当な場合に修理費相当額が損害となります。

損傷を受けている以上、損害は現実に発生していて、修理を予定していなくとも同様です。

物理的全損および経済的全損の場合以外は、被害者が事故を理由として自動車を買替えたとしても、買替えを正当とする理由が認められず、買替差額を請求することはできません。

・物理的全損~買替差額の請求

自動車もフレーム等車体の重要な本質的構造部分が事故によって重大な損傷を受けた場合等。自動車の基幹部分に損害が加わり、修理によって回復不可能な損害が生じた場合は、物理的全損として、事故車と同等の車両の事故時における市場価格が損害と認められます。

この場合、事故車の売却代金は損益相殺し、事故車の市場価格との差額が損害となります。

車両価格は、当該車両の時価(中古車市場における価格)、同一車種・年式・型・同程度の使用状態、走行距離等の自動車を中古車市場で取得するための価格です。

・経済的全損(修理費用が車両価格を超える場合)

修理費用が車両価格を超える場合~買替差額の請求

修理費用が車両価格を超える場合には、事故前の車両価格を超える修理費を支出していても事故前の車両価格の限度でしか賠償請求できません。

事故前の車両価格の損害賠償を受けると、被害者の手元に残っている事故車の売却代金(廃車代金)を二重に取得することになるので、その廃車代金を損益相殺し、事故前の事故車の市場価格を事故車の売却代金(廃車代金)の差額を損害とします。

車両時価額を超える修理費の認容

基本的には、修理費用が当該車両の車両価格を超える場合には現実に車両価格を超える修理費を支出しても、車両価格の限度でしか損害賠償請求することができないのが原則です。

(例:修理費10万円→時価額100万円の場合、経済的全損の判断にはならない。

修理費100万円→時価額10万円の場合、経済的全損の判断。